しびれるぐらいの海月愛。

 浜辺でクラゲをなげる少女。
バケツにサクッとすくいあげて

こちらへ
投げてくる。

少女は
浜辺に
穴を掘っていた
水が染み出るほど

たっした
そこから

とにかく
すくう。

肌を露出
した
ひとびとに
とって
それは
爆弾以外の
何ものでもない。

危険すぎる。

よく見れば
少女の父親らしき人が
その
爆弾の補充を
手伝っているではないか。


ひどすぎる。
父のもってきた
クラゲを
娘は
投げてくる


もう
やめてくれ
これ以上
海岸に
ゼラチン質の
爆弾を投げないでくれ。


負傷者たちに
小便を
かける
救助部隊。


浜辺でチラシ寿司を作っていた
職人たちが
かり出され
酢を
負傷者にかけている
「すし酢ですけどいいですか?」
なんて
のんきに
訪ねてから

手当に
戸惑う人々


遂に
ライフセーバー
この
戦場の存在に気づいた。
遅い
遅すぎる
事態は深刻だ
君の
見渡していた
海では
爆弾が発生し
触れなければイイモノに
少女の父親は
どんどん
とってくる
父親もまた
少女のように
バケツでサクッととる


いつの間にか
この
繰り返しを
みつめている
うちに
機械的
快感を覚える

そして
いつのまにか
ライフセーバーを殴り
鎮圧させる事を
やめさせた。



少女から受け取ったのは
しびれるほどの海月愛。
そして
ワタシは
しびれて
この世を去った。


来世にこの海月愛を持っていけるのならば
生まれ変わった先に
あの少女がいるのなら
ひとこと
伝えたい。
「アナタの愛うけとりました。」